👵🏼 オジーの縁側

👵🏼 オジーの縁側

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縁側は寒くてもぽっかぽか

寒い冬を迎えるこの時期になると思い出すことがある。

それは冬に収穫された大根や芋をオジーと縁側で干した思い出。

この作業は年に一度の冬の晴れ間の恒例の作業になっていた。

その大根や芋はヤンバルで農業を営む親戚からわざわざ届けられるもので、それをオジーはシワだらけのくちゃくちゃ顔をさらにくちゃくちゃにして嬉しそうに貰っていた。

大根や芋にしても近所の商店で買えないわけではないのに、それでも親戚は一日かけてなん度もバスを乗り継いで運んで来てくれていた。

どちらも重たいから大変だったと思う。実際、バス停から家までの道のりを担ぎ、階段を登ってくる親戚はハァ〜ハァ〜息を切らしていた。

オジーは貰えることをただ喜んでいるのかなと思ったらそうではなかった。

大根を干しながら独り言のように呟いた。

 

オジー:今年もこんな上等な大根ができて本当によかったよかった。採れてはじめてホッとできるんだよな〜。あのホッとした顔が見れて良かったよかった。作る人の難儀を考えて大事に食べんとな〜。

と言いながら、大根一本いっぽん、芋一個いっこを丁寧に干した。

干された大根や芋は、雨、梅雨を避けなければならない。夕方になると部屋内に取り込んで、翌日の朝にはまた縁側へと移し並べる。うっかりしようものならカビさせてしまうので気が抜けない。それを13ぐらいに細くなるまで毎日繰り返したのだった。

完全に水分が抜け切った大根を手でさくようにちぎり、保存しながら加熱して食べていた。なかなか手間ひまがかかることだったが、そんな手間ひまもオジーは嬉しそうに「ありがたいなぁ〜」と言いながらやっていた。

えーりはそんなオジーの屈んで丸まった背中に温かさを感じ、なんとも言えない心地になった。

芋は干して水分を飛ばすことで糖度が増し、甘く美味しい芋に変わる。

それを寝る前に火鉢の残り火の中に焚べて翌朝焼き芋として食べた。これがまた格別で、熱いお茶でほんのり香る炭の香りと一緒に頬張っていた。

オジーが作物の出来具合を喜ぶのは当然だが、それと同時に作り手の親戚に会えることがオジーにとって最も嬉しいことだと伝わった。

電話のない時代、近況を知る手段は直接会うしかない。

オジーにとって野菜が届くということは親戚の元気な顔と元気な姿が見れること。それが嬉しかったのだ。

オジーのくちゃくちゃ顔はそんな気持ちの現れで、いつも遠くで暮らす親戚に想いを馳せているのがわかる。

だから寒い冬でもオジーの縁側はそんな気持ちが入り混じっていつでもぽっかぽか。

えーりはそんな縁側に手足を広げて寝転びながらオジーに櫛を通してもらうことがとても気持ちよく、天気の良い日は必ずと言っていいほどやってもらっていた。

そんな大切な思い出いっぱいの縁側。

生活を、人の縁を紡ぐ縁側。

えーりはこんな小さな出来事を思い出すたびに「ありがたいな〜」と感じる。

オジーの生活の知恵を大事にしながら丁寧に生きる姿勢がカッコ良く思えてそれを見るのが心地よく感じていたのだと今わかる。

 

私たちはオジーのように次世代へ生きた知恵、宝を手渡せられるのだろうか?

それは私たち自身がそう生きないことには到底伝えられるものではないとえーりは思っている。

毎日を真摯に、丁寧に生きる。

その姿勢こそが人として粋で格好良さだと改めて思う。

時代は変わっても作り手の願い、想いは変わらない。

※大根の甘酢漬け

 

手間ひまかけて育てている農家の想いを大事に食するのは人として当たり前!

豊富にある一つの食材を調理方法の工夫して食卓に並べることもとても大事なことだと思うし、今も大事にしている。

風邪予防に温かい大根雑炊にしたり、保存がきく大根の甘酢漬けにしたり、食欲そそるブリ大根は寒い日をほっこりさせてくれるメニューだ。そんな食事に「日本人でよかったなぁ〜」と思うのはえーりだけじゃないと思う。

 

そんな品々をお家ご飯の力強い助っ人として伝えていきたいなぁ〜

 

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🍳レシピ『大根のぼろぼろじゅーしー』

 

材料


・大根 - 300g
(米粒の大きさに刻んだもの)
・ツナ缶(小缶)- 1 缶
・だしパック - 2 袋
・かつお節 - 40g
・青ねぎ - 2 本
・冷ご飯 - お茶碗 2 杯
・玉子 - 3 個
・味噌 - 150g
・粉だし - 小さじ 1/2
 
 

下準備

・大根は皮をむいて、米粒の大きさに切る。
・ご飯はザルに入れて流水で洗って水を切って置く。
・青ねぎは小口切りする。
・土鍋に だし汁 を作っておく。
 

 

 

 

 
 

(1)
だし汁を入れた土鍋に、刻んだ大根を2/3入れ、火にかける。


 
 

(2)
粉だし小さじ1/2を入れ、アクを取りながら、大根が柔らかくなるまで煮る。


 
 

(3)
水を切ったご飯を入れ、かきまぜ、残りの大根を入れて煮る。

※ 後入れするのは、大根の食感を残して美味しく食べるため❣️
 
 

(4)
ご飯が少し柔らかくなったら、ツナ缶を入れる。


 
 

(5)
お米が好みの柔らかさになったら、味噌を だし汁でといてから好みの味に整える。

※味噌は何度かに分けて入れる事で味がしみやすくなるよー❣️
※味噌は、風味が消えるから 煮すぎないようにしてねー❣️
 
 

(6)
仕上げに溶き玉子を回しながら入れ、軽くかき混ぜて 完成❣️



 
 
 
 
 
 
 
 

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真志喜 恵里子

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