👵🏼 カンダバーの愛

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カンダバーってなあに?

今回はカンダバーチャンプルーの紹介なんだけど、沖縄の若い子の中にもカンダバーを初めて耳にする人っているじゃないかな〜?

それぐらい店頭では見なくなった野菜だ。

特別美味しいってもんではないんだけど、懐かしくなって食べたくなる野菜なんだよねぇ〜

カンダバーを食べる度に、よく食べていた子供の時代を思い出す。

懐かしむことと食べることがセットになっているって感じ。

それをえーりはソウルフードと思っている。

ところでカンダバーってなんだと思う?

実は芋の葉っぱのことなんだよ。

中華料理によくでる空芯菜(クウシンサイ・エンサイ)に、色と味が似てて、調理法にしてもほとんど同じ。空芯菜に比べて少し香りがあってカンダバーの独特の風味が味わえる。

香りがあるといっても気になるほどではない。

沖縄の風土に合ったことと、成長が早いからか、終戦直後、いっせいに植えたのが芋で、どこの家でも、少しの土地にでも植えていたらしい。

芋だけではなく、葉や茎も食べれるということでは無駄がなく、栄養価も十分で、戦後、多くの人が芋とカンダバーに救われたという。

年寄りたちからすると、辛い戦争を思い出す食材ということであまり好まないと聞いたことがあったし、実際、もろに嫌な顔をして「この時代になってまでもこんな野菜食べないといけんのか💢」という年寄りも少くなかった。

えーりはカンダバーが好きで食べていたから、嫌う年寄りたちの気持ちが理解できなかったし、えーりの好きの気持ちがけなされているようで愚痴る年寄りが嫌いだった。「そこまで毛嫌いしなくても」って思ってたら、いつの間にか愚痴る年寄りと同じ顔してその年寄りたちを見ていたえーりだった(笑)

そんなえーりをオジーが見逃すはずがなく、なぜ、その人たちがそこまでカンダバーを嫌うのかを話してくれた。

ウチナーンチュは先の戦争で地上戦を経験していた。火炎放射器や爆撃を受けた沖縄は全てが焼き尽くされ、草木一本もない焼け野原となり、住民は耐え難い飢えを経験している。

オジー:戦後は食べるのがなくてやっと芋が植えて飢えを凌いだんだよ。毎日毎日芋と芋の葉のカンダバーを食べてな。その頃は塩があったらマシな方で、たくさんのお湯に少しの芋とカンダバーを浮かべる程度の物だったから決して美味しいとは言えない食事だった。ほとんど具は無く、味の無い雑炊を毎日食べてたんだ。いつか、白いご飯を食べるぞ!いつか美味しいご飯を食べるぞ!と、誰もがそう思ってカンダバーを食べていたんだよ。

そんな時代背景をオジーから聞かされたことで、カンダバーを嫌がる人のことが少しは理解できるようになった。

加えてオジーはこうも言った。

オジー:しかしな、食べ物には罪はない!どうであれ「ありがとう」と思って食べないといけない!あの時代を生きてこれたのは芋やカンダバーがあったお陰。それがなかったら、オジーも、皆んなも今、ここに生きて立ってはいないってわけさ。ありがとうはあっても嫌うのは人として違う!命をもらったんだからな!

とオジーは話してくれた。

そんなオジーの話を聞いてカンダバージューシーやカンダバーチャンプルーがより好きになって、単純にカンダバーって凄いんだ!って思うようになっていた。

今ではほとんど食卓に上がらなくなったカンダバーだけど、実は美味しく栄養価も高い優れもの。

これを機会に皆んなも食べてみて欲しい。

きっと「美味しい」の声が出ること間違いない(笑)

これを『カンダバーの愛』という(笑)

ここで雰囲気を崩すかもしれないけどちょっとしたエピソードを..

小学低学年の夏休み、田舎の伯父の家に泊まった時の話。

街中で暮らすえーりにとって、田舎の生活は何を見ても新鮮で、従兄弟たちが嫌がる手伝いを買ってでるほど楽しんだ。

ある日の夕方、伯父に豚の餌やりを頼まれ、五右衛門風呂を一回り小さくした大鍋のシンメーナービー(沖縄県の伝統的な調理器具)に豚用のカンダバーと芋を煮炊きしていた。

それはえーりが一番やりたかったことだったから大いに喜んだ。

煮炊きが進んでいくとその匂いに隣の豚小屋では豚がブイブイうるさく鳴き始めた。

しだいに豚の鳴き声はものすごい爆音へと変わっていった。

涼しくなりたくてちょっとだけ火のそばから離れると、親豚が囲いから身を乗り出してこちらを見て吠えているのが目に入った。

えーりの足元には狩ったばかりのカンダバーが山積みに置かれているのを見て、えーりは イタズラしてやろうと思って豚の鼻にカンダバーをチラつかせて見せた。

豚は食べれるものと思っていきなり口を大きく開けて食べようとした。

そんなイタズラをするんじゃなかったと後悔することが起きた。

なんと豚がカンダバー食べたさに塀を乗り越えて来たのだ。

いくら食いしん坊の豚でも塀を飛び越えるか⁉️

豚って足短いよ⁉️

あの足の短さで助走なくして飛び越えられるって誰が予想できる? そんなことえーりには予想不能だよ💢

えーりは、たまし抜がし(死ぬほどびっくりした、というのを、沖縄では「たまし・ぬぎたん」[(体から)魂が抜けた]と言う)、豚を避けようと塀を越えたら、なんとそこはウコだらけの豚小屋、、、😭

そう、豚は豚小屋の外へ、えーりは豚小屋の中へ、、、💦

とんでもないことになってしまったのだ。

塀の中にいた時の豚は大人しく見えたのに、外に飛び出したら動きが機敏でまるで闘牛のようで恐かった。

そこに伯父が帰って来て、逃げ回っていた豚を追い込むように連れて来て、小屋の中に入れて事無きを得るという出来事だった。

伯父はすっごい短気で怖い伯父さんだったけど、青ざめたえーりを見て笑ってた。

そういえば以前にオジーから「どういうことがあったにしろ、食べ物で戒めることだけはやるな!」と言われていたことを思い出した。

そう、食べるためだけに生きている相手に食べ物で戒めていたのだから小屋に入れられても仕方ないがな(トホホホ💦

しばらくこの事で伯父家族からからかわれてしまうえーりだった。

そんな苦い経験だった🤣

 

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🍳レシピ『カンダバーチャンプルー』

 

材料


・カンダバー(サツマイモの葉)- 500g
 ※代用:空芯菜
・豆腐  - 1 丁
・ツナ缶 - 小 1 缶
・粉だし  - 小さじ 1
・醤油 - 小さじ 1/2
・油 - 大さじ 1
 
 

下準備

・カンダバーの葉と茎を分け、水洗いし、4〜5㎝の長さに切る。※ 細い茎だけ使う。
 
【ポイント】
★ 炒めすぎないように気をつける。
 
 

(1)
フライパンに油大さじ1を入れて、茎とツナを1/4入れ、しんなりしてきたら、豆腐を手でちぎって入れる。


 
 

(2)
豆腐は全面に焼色をつけて、葉を3〜4回に分けて混ぜ入れ、残りのツナと粉だしを2〜3回に分けて入れ、炒める。


 
 

(3)
仕上げに醤油を小さじ1/2まわし入れて、 完成❣️



 
 
 
 
 
 
 
 

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真志喜 恵里子

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