今日はえーりがオジーとの会話の中で衝撃的で忘れられない出来事を紹介するよ。
その出来事はえーりが小1生の頃だった。
その日は日曜日で、皆んなが家にいて、丁度お昼を食べて昼寝に入りかけた時だった。
いきなりの隣の家から大きな怒鳴り声。しばらく聞いていたけど簡単には止みそうにない怒鳴り声にただ事じゃないって思った。
それが何でかが知りたくて隣との境目にある2Mほどの高さの塀によじ登り、そこに座って隣の家を覗いた。
えーりのその姿はただのヤジウマ🤣
こっそり覗いているつもりだったけど、昼間だったから、あちらの方が外にいるえーりが丸見え😅💦
そしてそこには長居できないって直ぐに感じた。
なぜなら、異様だったから。いや、正しくは怖かったからだった。
えーりは怖くなって、家に逃げ帰ってしばらくドキドキしながら隠れるように家の片隅にいた。
ドキドキが止まないうちに、ドキドキの根源が現れた💦
それは隣で怒鳴られ土下座していたおじさんだった。
えーりはメチャ驚いてオロオロしていた。
窓から覗いたのがバレてえーりのことを怒りにきたのかと思って、慌てて隠れようとしたが、おじさんはえーりに全く気に留めず、オジーと久し振りに会ったような挨拶を交わした。
そのおじさんは、小さな風呂敷包みを持っていた。
背丈は普通で、かなりの色白で細身の体格。見るからにやわそうだったから、そのおじさんが怒鳴られていたのを見てえーりは可哀想に思ったのだ。
そのおじさんが来たのは、オジーにお願いがあってだった。
実はおじさんは隣んちの父親で、何年もの間結核で入院してて、その日退院してきたばかりだったらしい。
療養所から帰ってきたはずの父親が、玄関で土下座。それをその家の次男が凄い剣幕で殴らんばかりの勢いで怒鳴る。
それがえーりが見ていた光景だった。
しばらくすると、おじさんがオジーへお願いする声が聞こえてきた。
「どうかあなたの力で家族の許しを得て、家に帰る(入る)れるよう話して欲しい。どうかお願いします」だった。
えーりはオジーが当然そのお願いを受けると思って疑わなかった。
でも、違った!
オジーは淡々と「それはできん!」とキッパリと断った。
えーりは、えっ? まさか⁉️ なんで? オジーが断るってある?
これまでたくさんの人の良き相談相手になっていたオジーが、帰る家を無くして困っている人を見捨てるってある?
なんで???
これまでオジーのことまるごと信じてきたえーりだったけど、こればっかりはオジーが間違っていると思った。
それからそのおじさんは、何度もオジーに頭を下げてお願いしたけど、オジーはピクリともせずに首を横に振るだけだった。
しばらくすると、意気消沈しきったおじさん、深々とお辞儀をすると肩を落として帰って行った。
それを見たえーりは、おじさんに駆け寄って止めたい気持ちでいっぱいだったし、涙も出そうだった。
おじさんが諦めたのは
「あなたが若い愛人をつくってあの家を出て行った時は、一番下の子がまだ一歳になるかならないかの頃だった。一番上もまだ学生で、その子を頭にみんなまだまだ手がかかる年頃だった。そんな子供を5人も抱えてたったA子1人で育ててきたわけで、その大変さは口では言えない!泣く暇さえなかったし、それは傍で見ている人も辛いものだった。必死に子供たちを養ってきた母親の苦労を見て育ったのだから、あなたがどんなに謝っても許すはずがない!あなたはそれだけのことをやったのだから家、家族のことは諦めなさい」のオジーの言葉にあったからだった。
おじさんが何か悪いことをしてのことだとわかったけど、凄く反省もしているし、何にしても年寄りだ。許してあげてもいいのでは?って思った。
この歳にして帰る家が無いってとても悲しすぎると思ったからだ。
だから、おじさんの後ろ姿が見えなくなる前に力になって欲しいとオジーに何度もお願いした。
けど、オジーは険しくえーりを睨みつけて「ならん!」の一言だった。
えーりはおじさんが浮浪者になって、挙句の果てに野垂れ死ぬんじゃないかと心配だとオジーに訴えて考え直すように頼んだ。
でも、オジーの返事は変わらなかった。
「あの人がやった事は人として許されることではない!あーてぃーならん!」とさらに厳しい顔つきでえーりを睨んだ。
オジーがそう言い切るからにはえーりが理解できない事があるんだろうと思うとそれ以上頼めず、えーりのドキドキは止まないまま、その日は終わった。
ところがその翌日、隣のおばさん、つまりはお願いしてきたおじさんの奥さんがオジーに相談にやって来た。
いつもはとても明るく、思うことは何でもズバズバ言うおばさんだったけど、相談するその声は涙声に震えてた。
幼いえーりにも事の重大さがひしひしと伝わってきて怖くなった。
日が過ぎればあのおじさんのことなど忘れてしまうのだろうと思っていたけど、そうはいかないものだと感じた。
おばさんの声は途切れ途切れでほとんど聞こえなかったけど、オジーの叱責はかなりのもので、隠れて聞いていたえーりでさえビビってしまったほどだった。
おばさんは、土下座までして謝っている父親を家から放り出す子供たちの態度に心を痛めたと話した。
おばさんのその言葉にオジー激怒🌋
オジーわらびんちゃーがあたとぉーる❗️ちゅや、やてぃいいくとぅとぅとぅ、やてぃんならんくとぅがあんど💢やーや、わらびんちゃーんからなられー❗️(子供たちが正しい!人にはやっていいことと、やってはいけないことがある!あなたは子供たちから教わりなさい!)と叱った。
おばさんはオジーの言葉を受け止めたのだろう、ハッとして大きく深呼吸して、お辞儀をして帰って行った。
その隣の家族はそれから間もなくして家族全員でハワイへと移住し、それっきり沖縄へは帰って来ることはなかった。
おおよそのことは理解できたけど、改めてなぜ助けなかったのかをオジーに聞いてみた。
えーり:なんでおじさんを助けなかったの?
オジー:助けてはならないから
えーり:帰る家がないのに?
オジー:無言
えーり:あのまま路頭に迷って野垂れ死になったらどうするの?可哀想じゃないの?
オジー:野垂れ死にするなら死んだまで
えーり:人が死ぬかもしれないのに助けてやらないっていうのは何?
オジー:それだけのことがあったから!
えーり:命より大事なことってなんね?💢いつものオジーだと命より大事なものはない❗️って言っているさー❗️なのになんね💢
えーりが初めてオジーと喧嘩別れした衝撃的出来事だった。
大人になった今、オジーが言った意味がやっとわかってきた。
あの時、あの家族が情に流されて、夫、父親を許していたとしたら、その後の人生、事実対応できず複雑な人間関係に翻弄されて幸せから程遠いものだっただろうと思う。
だから子供たちは
許せなかったのではなく、許さなかったのだ
あの日のあの出来事はあの家族にとって、人としての在り方、生き方を決めた最良の日だったのだと今はわかるし、『許さないことも愛❣️』だと理解できる。
今回の教訓❣️
楽しい人間関係は事実対応あるのみ❣️
事実が観えるよう心の目を鍛えろ❣️
※ちなみに写真と内容は関係ありません❣️ あしからず