消えたら気づく⁉️
沖縄にはターム(田芋)という芋がある。
タームは沖縄の中、北部の水が豊富な土地で栽培され、冬に収穫される芋で、香りと食感がとても個性的な食材。
調理法も素揚げにして塩をまぶして食べるも良し、にんにく葉と炒めて塩味で食べるのも良し、甘く煮てでんがく(荒めのマッシュポテト風)も良し、揚げて甘辛醤油で絡めて食べるも良しで、どう調理しても美味しい。芋好きな女性からは絶大な人気を誇っていると言っても過言ではないのが沖縄のターム。
そんなタームがえーりは大好きで、目に留まるとついつい手が伸びてしまうのだ 笑
どう調理しても美味しいうえに栄養面でもかなり優秀。
カリウムやカルシュウム、鉄分、ビタミンAやビタミンCの栄養素が豊富で、それだから女性にモテているのかもしれない 笑
そんなタームをオジーはスグリムンと褒めていた。
※スグリムン=優れもの、優秀
えーりにとって栄養素云々よりも“美味しい“というそれだけで十分なのだ。
昔から芋は縁起が良い食べ物として大事にされてきた。
土の中で連なっている形状から子孫繁栄を意味しているからなんだけど、そんなとこにも意識を向ける先人たちには本当に頭が下がる。
流通がしっかりしてきた今でこそ収穫の時期になると近くのスーパーでも並ぶようになってきたが、えーりが若い頃は市場に行かないと手に入らない代物だった。市場といえどもどこの店でも売っているわけではない。売っていたのはわずか2、3軒しかなかった。
そんなこともあって、収穫の時期が待ち遠しく、そんな待つことも楽しみのひとつになっていた。
その人気高いタームが窮地に立たされるような噂が耳に入ってきた。
ある会合で同席していた中年の男性が代々からのターム畑の所有者で、年老いた親が最近ターム栽培をリタイアしたと話した。
畑は完全に中止すると土が固まってしまい、タームの栽培に向かない土壌になるためえーりはこんな希少価値の高いタームを絶やさないで欲しいと訴えた。
するとその男性は10年後にはそのターム畑は一斉に宅地へと地目変更すると告示されていて、すでにターム作りから離れる農家が増えているというのだ。
農地から宅地になるのだから土地の所有者は喜ぶのは理解できるが、一旦宅地になってしまうと沼地のターム畑は二度と元には戻せなくなる。少し車を走らせると見ることができたターム畑が消えると思うと、とてもショックだった。
更にえーりはその男性にタームが沖縄の数ある特産物の中でも誇れるものであることを伝え、ターム作りを頑張って欲しいと懇願したが、
男性は「宅地になったらそれだけで経済的に楽になるのだから、何も難儀してターム作りしなくてもよい」と満面の笑みで答えた。
その男性は「親の難儀を見て育ち、自分はターム作りを受け継がないと早くから決めて学業に励み公務員になった」と言う。
親もまた、子や孫に難儀はさせられない!して欲しくない!と言っていると、、、。
それを聞いて、農家が遠い昔のまんま苦労が絶えないものだと改めて感じたし、報われるとしたらどんな事があるのだろうかと考えさせられた。
“食“は人が生きる上で一番大切なもの。
だからこそ何よりも優先されるべきもののはずなのだが、こうも報われないのであれば農家は年々減り続けていくのは当然だと思った。加えて、消費者が少しでも安い食材を求めるあまり、安値で取引させてしまい、その皺寄せで農家を苦しめている。この現実を考えると、消費者としてのえーりはぐうの音も出ず 頭が垂れた。
※皺寄せ(しわよせ)=矛盾や不都合な点などをみずから解決しないで、他に押しつけること。
結局は農家個人の問題だけではなく、いろんな問題が見えてくる。
農業を立ち行かなくしているのは 自分たち消費者だという側面から、今、自分たち消費者に何ができるのかを考えるべき時がとっくに来ていると、その男性と話を聞いて改めて思った。
消費者の私たちに今できることは、チラシの広告に踊らされて“安かろう良かろう“で購入するのではなく、“正しい価格を知っている店かどうか“を見極め、農家を支える店を消費者の私たちが支える。それが本当の賢い消費者だとえーりは思った。
消費者とは全国民のことです。
国民一人ひとりが10円高く野菜を買うだけで、どれだけの収入が農家に届くか想像してみてください。
たった10円ですがそれだけで農家は報われると思いませんか?
えーりたち夫婦は道端に設置されている無人野菜販売所を利用するのが好きだ。なぜなら直接農家に対価を手渡せるから 笑
少量だと完売させたくなるし、大量に残っていると誰かの分まで購入してしまう 🤣
飼料代にでもなればと思ってオマケを付けて支払うことも当たり前。
たまに農家の人に出くわすこともあって、その時は栽培についての話に花が咲くことも少なく、そんな楽しいオマケがもらえたりで有難い。
ごくごくたまに店頭の惣菜にターム料理を見かけることもあるが、若い人はなかなか買って食べない。食べ慣れたえーりの世代が買って食べたとしてもなかなか自ら調理しないのが現実だ。
こうして考えると、子供の頃に食べ慣れた物がその人の好みになるのかもしれない。
だとしたら、いろんな食材やいろんな料理を食べ慣れることも大事なことで、何よりも好きなものを作れることがとても大事だと感じた。
なぜなら後世に伝えられるから。
えーりは面倒でも作り続ける。
なぜなら美味しいから 🤣
美味しいのを食べさせたいから🤣
えーりが作っているのを見せていれば、見様見真似でも作るようになると思う。
それまでタームがあればだけど、、、
だから大事にしよう
農家さんを応援しよう
農家さんの汗水で育った目の前の食べ物に感謝することから始めよう
そして、気づいた人から、感じた人から10円活動はじめよう
『愛でメシが食えるかって? 愛だからこそ食えるんだよ❗️』
本当だね
・田芋 - 1100g
・きび砂糖 - 150g
・水 - 1000ccぐらい
★容量は、あくまでも目安! 自分好みに足したり引いたりして「美味しく」食べてね!
by:まーさん食堂スタッフ一同
「田芋」は皮をむいて、3から4cm角(一口大の大きさ)に切り、水で流し洗いする。
※田芋は蒸されたものを使用している。
洗った「田芋」は一度水切りし、鍋に「田芋」がひたひたになるまで「水」を入れ、火にかける。
しばらく煮てから、きび砂糖をこまめに入れ、アクをとりながら煮る。
竹串で「田芋」の硬さを見ながら、木べらでかき混ぜながら煮る。
※水分が多い時はアクと一緒におたまですくいすくい減らして下さい。
※粘りが出てくると焦げやすくなるので、火加減を気をつけて煮て下さい。
硬さと甘さが好みに仕上がったら 完成❣️