嫌い嫌いも好きのうち

嫌い嫌いも好きのうち

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好きへの近道

人参はえーりにとって今や大好きな野菜の一つになっているが、子供の頃は大がつくほど苦手な野菜だった。

昔の人参は人参独特の香りが強く、刻んでいる時から鼻について嫌いなえーりにとっては吐き気まで誘い、香りというよりも臭いとしか表現できなかった。

えーりの育った環境では食わず嫌いは許されることではなかったので、えーりはどうにかして食べようとした。

息を止めて食べようとしたり、鼻をつまんでみたりもした。もはや食事をするということではなくなっていた。それでも我が家では食べないわけにはいかないのだ。

ある日、そんなにしてまで嫌いなものを食べなければいけないことが嫌で母に「もう人参は食べたくない!」と一喝。

作れもしないのにどの立場で?ってなるが、本当に心底人参が嫌いだったのだ。

我が家で好き嫌いは御法度中の御法度。それを言い退けたのに母はニヤっと笑っただけだった。えーりは初めて母に受け入れられたと思って喜んだ。

ところが翌日、食卓に人参があった。

「えーーーー、かぁちゃん、なんで人参?」

「当たり前さ!嫌いって言うからさ!」

「だって、、、」

あとは言葉にならなかった。 そこで気がついた。昨日のあの”ニヤ”はこのことだったのかって

だっただった、かぁちゃんはそういう人だったよ。あのかぁちゃんに一縷の望みを託した自分がバカだったのだ。

あのかぁちゃんなら食べないことには終わりがこないことを感じたえーりは、諦めて食卓について食べ始めるのだが、一旦飲み込んだ人参が匂いとともに込み上げてきたからさあ大変。口を押さえて流し台めがけて走った。口は抑えられたのだけど、鼻からは唾液と一緒に人参の匂いが流れ出てしまった。

口はどうにかできたが鼻は人参の匂いがこびりついたまま。

後方からはかぁちゃんの笑い交えた声で「あんなにな?」と言っているが、えーりには反論する余裕なんてない。

そんなえーりにかぁちゃんは「早く食べ終わらないと」だけいう。まるで鬼だ!

鼻にこびりついた人参の匂いに吐き気を抑えながらただただ流し込むしかなかった。

そんなかぁちゃんとの戦いは1週間以上も続いた。拒むと余計に強くなる。それがかぁちゃんなのだから、えーりはまるで兵糧攻めにあったようなもの 笑

※兵糧攻め:包囲することで食料を補給を断ち、戦力を弱めさせること

 

1週間頃から かぁちゃんの人参が変わってきた。

人参オンリーだったのがニラや玉ねぎが入ったり、卵を絡めたお麩が入ったりして匂いが弱くなって食感の変化で少しづつ食べやすくなっていた。

慣れたせいかあんなに嫌だった匂いへの抵抗感も軽くなっているのを感じた。

そのあたりから毎日だった人参が1日置きになり、2日置きになって、いつの間にか食卓から人参の姿が消えていた。

そのことをかぁちゃんに聞くと「食べれるってわかったら、強いてまで毎日食べなくてもいい」とあっさり返事が返ってきた。

食べなくてもいい? 食べさせなくてもいいの間違いだろって思ったけど、藪蛇を突きたくないからやめた。

それ以降、人参はいつ何時でも食べれるえーりになって、今では人参シリシリーの達人になっている。(これはあくまでも自称 笑)

もしあの時、かぁちゃんの人参攻めがなかったら食わず嫌いのままだっただろうし、こうして作ることもなかったと思う。

それは自分だけの問題では終わらない。子供にも好きなものだけを食べさせてしまう毒母親になっていたと思う。

そう考えるとかぁちゃんの鬼対応は正しかったのかもしれない 笑

えーりは苦手な食材ほど工夫して調理して楽しんだ。お陰でほとんどの物が食べれるようになって、今ではガチマヤー=えーりとまでになった。

人生、好きが増えると幸せも増える!

食はそれをダイレクトに教えてくれるから有難い。

今では好きが高じて、カレーには人参だけでいいとさえ思っている。

嫌い嫌いは好きのうちで、嫌い嫌いの揺り返しは大きくて大大大好きになったというえーりの実体験でした!

 
 
 

🍳レシピ『人参しりしり』


 

材料/4人前


・人参 - 中〜大2本
・ニラ - 10本前後
・ツナ缶 - 大1缶(汁ごと)
・和風粉だし - 小さじ1/2
・塩 - 小さじ1/2
・油 - 大さじ2
・醤油 (お好みで適量)

★容量は、あくまでも目安! 自分好みに足したり引いたりして「美味しく」食べてね!
by:まーさん食堂スタッフ一同
 
 

(1)
「人参」は、水洗いして皮をむき、しりしり器で下ろす。


 
 

(2)
「ニラ」は、水洗いして端を落とし、3cmぐらいの長さに切る。


 
 

(3)
フライパンに「油」大さじ2を入れ「人参」、「ツナ」缶半分を入れて炒め、人参がしんなりしてきたら、残りの「ツナ」を入れ炒める。


 
 

(4)
「ニラ」を入れて、「和風粉だし」と「塩」を半分入れてかき混ぜる。


 
 

(5)
玉子を軽く溶きほぐして入れ、火の通り具合を見ながら、大まかに返していく。

※玉子は「卵とじ」のイメージなので、細かく箸をかき回さない!フライ返しでも良いよ。
 
 

(6)
「和風粉だし」、「塩」で好みの味に整え、「玉子」に火が通ったら 完成❣️

※隠し味で醤油をひとまわしすると美味しくなるよ!
 
 
 

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真志喜 恵里子

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