👵🏌 苊くも優しい苊菜

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â–Œ レシピを芋る👀✚
 
ありがたい行商

えヌりの子䟛の頃ずいうのはパンや、竹竿、豆腐や魚の行商があった。焌きたおパンをリダカヌで匕いお売り歩くオバヌちゃん、「竹や〜ぁ〜竿たけ〜🎶」ず声をあげお長い竿竹を担いで歩くおじヌさんもいた。

珟代のように各家庭に車がない時代にそれらの品が売り歩かれおいるのだからずおも助かったものだ。でも、売る偎にずっおは頭に乗せたり、担いだり、リダカヌを匕くのはかなりの重劎働だったこずは子䟛から芋おも明らかだった。リダカヌで匕くずはいえ、舗装されおいない砂利道はかなり難儀に芋えた。

豆腐もリダカヌにアルミの容噚を乗せおチャッポンチャッポン、チリンチリンず鐘を鳎らしおいた。しかも決たった時間に来おくれおたから、その時間になるず鍋を持っお倖で埅っおいたものだ。

どの行商も楜しみだったけど、そんな䞭でもえヌりが1番に楜しみしおいたのは魚の行商だった。おばさんが魚ず氷を入れたタラむを頭に乗せ、銖にはタオルを巻き、前かけ゚プロンをするずいう出立ちだった。゚プロンのポケットは釣り銭で倧きく膚み、金庫の圹目をしおいた。䞡手は぀ねにタラむを支えるから䜕ひず぀持おない。だからその出立ちなのだ。

なぜ、その行商が楜しみだったのかずいうず、えヌりは魚を捌くのを芋るのが奜きで、それをメヌトルもない距離で芋れるからだった。買わないこずには圓然捌くのは芋れない。だから、魚の行商人が来た時は必ず近所に「魚はいらんかね〜」ず声をかけた。たるで広報係だ。

魚の行商は仲間内でテリトリヌが決たっおいたらしく、圓然、りチに来る人も毎回同じおばさんが来おくれおいた。

『むチャリバチョヌデヌ蚳䞀床出䌚えば皆兄匟』そんな県民性の沖瞄だから初察面から知り合いのように芪しんでいた。

ある日、その魚の行商のおばさんが元気なく、い぀もの時間より遅く来た。タラむを芗くず倧半の魚が残っおいお、商売あがったりだった事が芋お取れた。これではおばさんが気萜ちするのは圓たり前だ。

魚を捌きながらの他愛無いお喋りから、このおばさんが戊争未亡人で、魚の行商で子䟛を逊っおいるのを知っおいたオゞヌがえヌりに蚀った。

オゞヌこの蟺りの家党郚を廻っお、財垃を持っおここに来るように蚀っおきなさい。

えヌりはその意味が盎ぐにわかった。だから速攻で隣近所の䞀軒䞀軒を走り廻った。

するず6、7人のおばさんたちが来おくれた。そこでオゞヌは独り蚀のように蚀った。

オゞヌ倧倉だ〜。今日はこんなに魚が売れ残っおいるよ。このたたでは垰れないけどどうしたらいいかね〜

ず、オゞヌは行商のおばさんの胞の内を独り蚀のように呟いた。

するず、そこに集たったおばさんたちが口を揃えお

「だヌだヌだヌ。私が買うよ〜」

「私に売っおちょうだい」

「これぐらい皆んなが買ったらすぐさ」

「今日は魚汁する぀もりだったさ〜」

ず、そんな蚀葉が飛び亀った。

あっずいう間に魚は完売  これぞうちなヌアンマヌ

それぞれが晩ご飯の魚を手にしお垰っおいった。

これぞ正しく『愛で食えるかっお 愛でこそ食えるんだよ』だ。

芋るずタラむの真ん䞭にポツンず小さなビニヌル袋がひず぀だけ残っおいた。それをおばさんは目を最たせながら「これだけしか残っおいないさヌ」ず蚀っお、オゞヌを拝むように手枡した。

倚分おばさんは蚀葉をなくしおいたんだず思う。人には蚀葉にできない想いがある。その拝むように手枡す仕草がそれを語っおいた。

オゞヌは「ありがずヌよ〜。これは私が1番奜きなものだからありがたいよ〜」ず蚀っおその小さな袋を受け取った。

それはオゞヌが倧奜きなむカ墚だった。

おばさんは乗り合わせお垰るトラックの出発が過ぎおいるのも忘れおお、それをオゞヌに「こんな日は早く垰っお子䟛の顔を芋なさい」ず促されお垰っおいった。

それからオゞヌに「裏に生えおいる苊菜にがなを取っおきなさい」ず䜿わされ、えヌりは苊菜を積んできお綺麗に掗いオゞヌに手枡した。

そしお、鰹の出汁にむカ墚ず刻んだ苊菜を入れた。2、3人がやっずのむカ墚の味噌汁が出来䞊がっおそれをお昌ごはんずしお食べようずテヌブルに着いた時、むカ墚を芋お

オゞヌこのむカ墚はあのおばさんたちの晩ご飯になるはずだった。だから感謝しお食べなさい

ず蚀った。

そういえば以前えヌりは尋ねたこずがあった。

えヌり売れ残ったらどうするの

おばさん買い取っおるから、残ったら自分が食べるしかないんだよ。できるだけ売らないずね〜

えヌりじゃヌ、売り切らないずいけないよね

おばさんそう思っおおばさんは毎日頑匵っおるよ〜

生掻がこの行商にかかっおいるのかず思うず、おばさんにはどうしおも頑匵っお欲しかった。むカ墚もむカだけを買う人の䜙りが出るず、その日の晩ご飯になるのだずいうのも聞いおいた。

それがこのむカ墚だったのだ。

そんなむカ墚を受け取ったこずがえヌりは忘れおいたずはいえ、人んちのご飯を食べようずしおいるこずにすする手が止たった。

それを芋たオゞヌが蚀った。

オゞヌいいから感謝しお飲め感謝で飲め

えヌりは耇雑な思いで飲み干した。

矎味しかったのか、そうではなかったのか芚えおいない。芚えおいるのは味よりもむカ墚にむカの代わりにそよそよず浮かぶ苊菜だった。

それから䜕日か埌、行商のおばさんが元気よく来た。

おばさんおっずヌヌヌ。魚たくさん持っおきたよ〜〜〜🎶

今日もたくさん買っおよ〜〜〜

オゞヌ高い魚が毎回、毎回買えるかヌヌヌ

ず2人は倧声で楜しそうに笑い合っおいた。

 

おばさんはオゞヌのこずをおっずヌず呌んだ。

おっずヌずはお父さんずいう意味だ。あの日を境にオゞヌはおばさんにずっおお父さんずいう存圚になったのだずえヌりは感じた。

えヌりは倧奜きな魚の捌きよりも、そんな2人をずヌっずずヌっず芋おいたいな〜ず思うようになっおいた。

それから数幎が経っお行商が消えた。品揃えのいいスヌパヌが出珟したからだ。魚行商が店舗の魚屋さんに代わり、魚屋さんが小芏暡スヌパヌに代わり、小芏暡スヌパヌは䞭芏暡スヌパヌぞずあっずいう間に倉わり、今ではショッピングモヌルになっおいる。

小さなものから䞭芏暡に、䞭芏暡から倧型ぞ時代の倉化ず共に倉わったっおこずだ。䞀ヶ所で買い物が枈むずいう䟿利さは確かにあるが、そこでは人間暡様たでは買えない

あるのは倀䞋げ競争ずいう冷たい戊争だずえヌりは思う。

話は少しズレたかもしれないが、他人同士が関わり合う堎が少なくなったこずで、人ずなりを感じるこずも少なくなっおいるこずが残念でならない。

あの売れ残るはずの魚が完売した粋な人間暡様もそれを経隓するチャンスも激倉したのが珟実だ。

䟿利さず匕き換えに倧切なものを倱くしおいるこずが残念でならない。

でも、䞀方では子を育おる母芪が倧切にするものを倉えれば取り戻せるものではないかず思っおこのブログを通しお䌝えおいる。

 

さお、話は戻っお、オゞヌが行商のおばさんちの晩ご飯になるず知っおおなぜむカ墚を受け取ったずいうこずだ。

その真意はオゞヌから聞いたわけではないのでわからないが、むカ墚を受け取るこずで、おばさんの気持ちを楜にしおあげたのだず思っおいる。おばさんにも䞎える力、想いがあるずいう経隓をさせたのだず思う。

それはオゞヌの「感謝で飲め」の蚀葉に感じる。

あのむカ墚にはおばさんの感謝の想いが蟌められおいお、それを受け止める意味で「感謝で飲め」ず蚀ったのだずえヌりは思っおいる。

行商を終える日が決たった時、おばさんは報告ずお瀌を蚀いながら、子䟛たちを卒業させるこずができた喜びず安堵をオゞヌず䟛に喜んでいた。

人の喜びを䟛に喜べるっお幞せなこずだな〜ず子䟛ながらに感じたものだ。

そんなこずを倧切にしながら生きおいきたいず思っおいる。苊菜にはそんな思い出がある。だからえヌりにずっお苊菜はただ苊いだけの野菜ではないし、苊菜を芋るたびにこの出来事を思い出す。

 

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🍳レシピ『苊菜の癜和え』

 

材料


・苊菜  1 束120g
・豆腐  1 䞁
・ツナ猶  倧 1 猶
・味噌  小さじ 2

★容量は、あくたでも目安 自分奜みに足したり匕いたりしお「矎味しく」食べおね
 byたヌさん食堂スタッフ䞀同
 
 

䞋準備

・苊菜は氎掗いしお 氎に10分〜15分぀けたら氎気を切り、1cmの幅に切りボヌルに入れる。
・豆腐はお皿に取り、氎切りしおおく。
・ツナ猶は汁気を切り、味噌小さじ2 を入れ、スプヌンで混ぜおおく。
 

 

 
 

1
苊菜にツナ味噌を入れ、箞で和える。


 
 

2
豆腐は、手で぀ぶしながら入れ、手で和えおいく。 和える目安が倧事❣豆腐は 固たりがなくなり苊菜ず銎染む皋床、苊菜は しんなりする皋床に 和えたら、 完成❣



 
 
 
 
 

カテゎリヌ

アバタヌ画像

真志喜 恵里子

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