香り立ついんげんと人参チャンプルー
大好きないんげんは沖縄では春先から店頭で見かけ始める。えーりはいんげんを見るとつい手に取ってしまうぐらい好きだ。
そんな いんげんを見ると思い出すことがある。
それは幼い頃、いんげんと人参のチャンプルーを作っているオバーの後ろ姿で、焦げる醤油の香りに 仕上がるのをワクワクで待っていたのを思い出す。
火を止める手前で醤油をひと回しすると ジャーっと音と共に香りたつ。そこに軽く砂糖を摘んで振りかけて全体を大ざっぱにまわして控えめな甘さとテカリを入れて出来上がり。軽く焦げた醤油の香りと程良い甘さがすごくご飯に合うのだ。3、4人分はあろうかといういんげんと人参チャンプルーを一人で平らげる勢いでえーりは頬張っていた。
仕上げるまでオバーは一切味見をしないし、ジャーの音と勢いよく出る蒸気にも慌てる様子もなく淡々とやっている。感でやっていることがえーりにはカッコよく見えた。
醤油も砂糖も見ることすらしない。手や指が秤になっているのだ。計量カップってものも無いし、計量スプーンなんて小洒落たものなんて一切無い時代だから すべてが手や指の感覚のみ。
それからしばらくすると、えーりも台所の手伝いをするようになった。 美味しく作れるようになりたくてよく聞いたもんだ。
「どうやったらオバーのように美味しく作れるの?」と。
決まってオバーは「ティーアンダー」とあっさりと言う。
その一言に”あっ”となって愚問だと気づかされたものだ。
そんなえーりもオバー世代になって、ご飯作りにも年期が入ってきた。
気がつくとご飯づくりも50年以上も経って、ティーアンダーも聞く側から言う側になっている。時々、「ティーアンダーってどうすれば出来るんですか?」と聞かれたりするけど説明できないことがティーアンダー。やり方ではどうしても伝わりにくいと感じている。
こうしてご飯作りの手を止めずにきて今感じていることは、ティーアンダーの込め方は話してわかることではないということ。
ただ”食べさせたいなぁ〜” “美味しく作りたいなぁ〜“という想いを込めて作り続けてきたからこそで、こればかりはやり方で教えられるものではないと感じている。
味が入りにくいインゲンをシャキシャキ感を残しながら仕上げたオバーのインゲンチャンプルーはオバーのティーアンダーの味で、えーりの口が今もしっかり覚えているし、これからも忘れないと思う。
えーりもオバーのように忘れられない一品を残せるオバーでありたいなぁ〜といんげんと人参チャンプルーを作りながら思った。
ただの一品、されど忘れられない一品がこのいんげんと人参チャンプルーなんだよね〜。 きっとそれを“おふくろの味“って言うんだね。
・いんげん - 200g
・人参 - 1本
・ポーク - 180g
・米油 - 大さじ1と1/2
・水 - 50cc
・和風粉だし - 2つまみ
・醤油(お好みの量)
※醤油は九州産の甘口を使っています。
・砂糖(お好みの量)
★容量は、あくまでも目安! 自分好みに足したり引いたりして「美味しく」食べてね!
by:まーさん食堂スタッフ一同
「いんげん」は、水洗いして、両端の筋を取り、斜め切りで4等分する。
「人参」は、水洗いして皮をむき、8mmの斜め切りにしてから8mm幅の千切りにする。
※いんげんと人参の太さは同じぐらいに切る。
「ポーク」は、8mmぐらいの幅の棒状に切る。
フライパンを熱し「米油」を大さじ1入れ、「人参」を入れて炒め、「水」をひとまわしして蓋をして、弱火で蒸し焼きする。
時々箸でかき混ぜ、2〜3分後に「和風粉だし」を2つまみ入れて、箸で混ぜて蓋をする。
「人参」と「いんげん」がまだ少し硬いぐらいの時に「ポーク」を入れ、かき混ぜながら炒める。
途中で「米油」大さじ1/2を足して炒め、「醤油」大さじ1/2を足して炒め、「醤油」大さじ1をまわし入れ好みの味に整えたら 完成❣️
※油を足したのは野菜に照りがつくように。
※醤油はお好みの量にしてね。
※お好みで砂糖を入れると美味しくなるよ〜
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