受け入れないものは 変えられない!
えーりがまだ幼稚園の頃の話。
夏休みのある日、近所の広場でラジオ体操を終えたえーりは家に戻らず、朝食も摂らずそのまま近所の子と遊びに出かけた。
夢中で遊んでいると、あっという間にお昼ご飯の時間になっていた。あまりの空腹に一目散に帰宅。
えーり:ただいま〜。母ちゃんお腹すいたーーー
と手足を洗って家の中になだれ込んだ。
すると母ちゃんは
母ちゃん:丁度ご飯するとこだったよ
いいタイミングで帰ってきたぞって思ったのも束の間で、食卓に上がったおかずを見てえーりの背筋はピンとの伸びた。
食卓には“緑の胃薬“が強烈な臭いを放ち皿に盛られていたからだ。
※緑の胃薬=えーりが食べると吐いてしまうことからピーマンのことをそう名付けていた
えーりはすぐさま回れ右して「お腹が空いているのは勘違いだったみたい〜。だからまた遊びに行ってくるね〜」と言いながら外へ駆け出した。
母ちゃん:朝も昼も食べないでねーーー💢
の怒鳴り声を背に受けながらえーりは猛ダッシュで家から逃げ出した。
「おーーー、セーフ!」大嫌いな緑の胃薬から逃れられた安堵につい声が出てしまったのだった。
逃げたは良いが、えーりのお腹は空腹過ぎて悲鳴を上げていた。お腹は空いていないといった手前、隣の伯母の家で食べさせてもらう訳にはいかないからどうしたものか考えていた。
家が見えなくなったとこまで逃げたえーりは思いついた💡
“そうだ💡 えーりにはまだ壺屋(地名)の伯父さんの家があった。そこへ行けばどうにかなるはずだ“と空腹に震える手足に喝を入れてダッシュで走った。
伯父さんの家は子供の駆け足で40分以上はかかるとこにあった。そこを目指してえーりはご飯食べたさにイットウバイ!
※イットウバイ=一目散
伯父の家に着いて勝手口の扉を勢いよく開けると、台所から何やら炒める音と一緒に焦げた醤油のいい香りが漂っていた。
伯母:あい! 恵里子、丁度良いところに来たさ。ご飯食べた?
えーり:まだーーー
伯母:一緒に食べなさい
えーり:そのつもりで来た〜🎶
えーりはしめしめとヨダレを飲み込んだ。
伯母:はいはいはい! 一緒に食べよう
と箸をえーりに手渡した。箸を手に食卓につくと、あろうことかそこには自分ちより大盛りの“緑の胃薬“の大皿3皿が置かれてあった。
母ちゃんのピーマンからやっとの思いで逃げて来たのに、、、
母ちゃんのピーマンには魚肉ソーセージが入っていたのに、ここのはピーマンだけ💦 しかも大盛だ!最悪!
えーりは涙が出そうだった。あのお腹を空かせて走り抜いた努力はどこへいった⁉️
思わず
えーり:はぁ〜〜〜💦 ピーマン😢
と嘆いてしまった。
伯母:あれ、恵里子はピーマン嫌いなの?
えーり:うん! 嫌い!
と答えた途端、部屋の隅で寝ていた伯父が「誰だ、好き嫌い言ってる奴は?」ムクッと起き出してえーりを睨んだ。
お腹が空き過ぎたえーりには伯父さんが見えてなくてもうビックリ
この伯父は親戚の中で一番恐くて、怒った顔以外見たことのない伯父で、なるべく顔を合わせないようにしていたぐらいの人だった。なのにその伯父がいたなんて、、、💦💦💦
えーりの汗は一瞬で冷や汗へと変わり、顔面からは血の気が引くのを感じた。すかさず「えーり、ピーマンが大好きだからピーマン食べます!食べさせてください」と言いながら涙をこらえて食卓についた。
その時えーりは母ちゃんの魚肉ソーセージ入りのピーマンから逃げたことを後悔した。
しかも不運はさらに続き、あの恐い伯父はえーりの真向かいにいる。だから歪んだ顔など見せられない😢💦そんなことがありながらもピーマンを口に入れた。
次の瞬間、えっ? ピーマンが食べれる!
えっ? 何で?
ピーマンだけなのに なんで食べれる? 自分でも驚いた。
今まで何度も挑戦し、吐いては食べ吐いては食べを繰り返しながらピーマンに慣れようと頑張ってきたのにどうしても食べれなかったピーマンが食べれたのだ。
しかも美味しく感じた
その日を境にピーマンが好きになっていくという不思議を経験したのだった。
その不思議経験のお陰で、それ以降は食わず嫌いは一切せず、苦手なものでも食べれるようになった。
それからかなりの歳月が過ぎ、金城先生と他愛ない話になって、えーりは 笑い話のように“ピーマンからの逃亡“の話をした。
その時先生が
『受け入れないものは変えられない』ということを話してくれた。
えーりは嫌いなピーマンをどうすれば食べないで済むのかだけを考えてピーマンから逃げていた。ところが恐い伯父を前に観念してピーマンを食べることになった。
それが“受け入れる“ということで、受け入れたことで嫌いなものが好きへと変わったのだと解いてくれた。
『受け入れないものは変えられない』はとても深いと感じている。
人生、避けたいことはいくらでもあると思うことが、えーりがピーマンを避けてたように逃げていては、本当の意味での幸せはやってこない。
それこそ「どこにいても、誰といても、どんな状況でも大丈夫!」の人間力を培う大切さをピーマンに教えてもらったと思う。
・ピーマン - 5個
・ポチギ - 2本
・和風 粉だし - 2つまみ
・醤油 - ひとまわし
・油 - 大さじ 1
★「ポチギ」が無い場合は、「ウィンナー」で代用してください❣️
★容量は、あくまでも目安! 自分好みに足したり引いたりして「美味しく」食べてね!
by:まーさん食堂スタッフ一同
「ピーマン」は、水洗いして、縦半分に切って種を取る。
更に縦半分に切り、横半分に切る。
※ピーマンの匂いの苦手な人は、中の白い所を取り除くと匂いが軽減しますよ❣️
「ポチギ」は7から8㎜の輪切りにする。
フライパンに「油」大さじ1 を入れ温めた所に「ピーマン」と「ポチギ」を一緒に入れて炒める。
※1度に焼き切れる量じゃないので、小分けにして作ってね❣️
「ピーマン」と「ポチギ」が少し火が通ってきたら「和風の粉だし」を2つまみぐらい入れて混ぜる。
仕上げに「お醤油」をひとまわし入れ混ぜたら 完成❣️
※ピーマンはシャキシャキの状態に仕上げてください。
※フライパンに置きっぱなしになるとしんなりするので気をつけて下さい。