👵🏼 蘇る味 スンシーイリチー

👵🏼 蘇る味 スンシーイリチー

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今回のレシピは『スンシーイリチー』

スンシーとは筍をメンマのように細切りして塩漬けしたもので、刻んだ昆布や切り蒟蒻を豚肉と椎茸をベースにした出汁で煮たものをスンシーイリチーという。

大量に調理すると美味しく仕上がることから沖縄のお祝膳の主役になる一品だ。

我が家では祝膳といえばクーブイリチーが定番なんだけど、あるお祝いの席で食べたスンシーイリチーに感動して、大人になったらこれが作れるウチナーオバーになりたいという憧れがあった。

換気扇などもない時代に長時間火の前に立ち、大量の煮物を手慣れた手つきで美味しく仕上げるオバーたちがえーりにはカッコよく見えたからだ。

現代のように調味料が揃っているわけでもないのに、それでもオバーたちが作るウチナー料理はこくと温かみに胃袋だけではなく心まで沁みたのだ。

 

それからかなり月日が経ってえーりもオバー世代になった。

そして今回、孫ともいえる正騎の13祝いを一緒に祝わせてもらうことになった。

沙織からお祝いをどうやったらいいのかと相談を受けた瞬間、あのスンシーイリチーが浮かび、どうしてもスンシーイリチーで祝ってあげたくなったのだ。

今風にホテルやレストランでオシャレに祝うのも良いが、想い入れがあるこの13祝いは家族の手作り料理で祝いたいと思った。

たが ひとつ問題があった。

スンシーイリチーを最後に食べたのは思い出すことすら難しいぐらいずいぶん前のことで、作れる自信はまるでないことだ。

それでも えーりは作りたかった。

なぜなら、えーりが忘れないで有る あの味で正騎を祝ってあげたかったからだ。

うろ覚えの材料とあの時食べたスンシーの味を頼りに記憶を辿りながらまずは食材探しから始まった。

さて、このスンシー、売っている店をえーりは一ヶ所しか知らない。昔ほど調理する人が少なくなったせいか、売っている店もだいぶ減っている。

記憶を辿りながら行き着いたその店は70代のおばちゃんと40代ぐらいの息子が交互に店番をしていた。スペース的には1畳あるかないかの店舗で、沖縄料理に欠かせない食材の昆布やスンシー、干し大根が山盛りで並んでいる。天井から秤が吊るされてあって、その光景は今も昔の変わっていない。それには懐かしさと沖縄の台所が健在であることにホッとした。

その秤に品を乗せるおばちゃんの手はまるで秤で、えーりの注文量をピッタリと乗せた。毎日のこととなると人の手は秤にもなるんだと感心して見ていた。

スンシーと刻み昆布を測ってもらっているわずかな時間でお肉以外の出汁で干し大根の美味しい食べ方を尋ねると、店に出入りする客からツナ缶でもなかなか美味しい干し大根の煮物が作れると教えてもらったと話してくれた。

商店ってそんな情報交換ができるとこがいい👍

昔のまんま何も変わらないな〜

変わらない人情味溢れるやり取りにホッとすると同時に、これからもずーっと変わらないで欲しいと願っていた。

注文をし終えた時だった。

おばちゃんが「はい!シーブンね」と言って同じ量のスンシーをオマケにくれた。

えーりは「これじゃー買った分と同じだよ。いいの?」と言うと、おばちゃんは”これは当たり前だよ”と言わんばかりの顔をして見せた。

“時代は変われど人は変わらない” そんなことを思いながら帰った。

帰宅すると早速作ってみた。

少し緊張しながらではあったけれど、いいあんばいに仕上がり、正騎の13祝いは無事 祝膳に並べることができた。

えーりは正騎の13祝いを正騎のオバーになった気でえーりの好物で祝えたことが嬉しかった。

そして、これを機に正騎にもスンシーイリチーを好きになってくれたらな〜と思いながら正騎が食べるのを見守っていた。

スンシーイリチー作りを通して 今回感じたことは、食事は想いで作るということだった。

美味しいと想ったこと

作れる自分になりたいと想ったこと

食べさせたいと想ったこと

これらが繋がった正騎の13祝い膳だった。

 

ウチナーアンマー(沖縄母ちゃん)料理を想いと共に受け継いで、後世にも繋げることの大切さを改めて感じた。

後世に繋げるには日頃から食べ親しむことが何よりも大切で、まずは作れるアンマー(母ちゃん)になることからだとえーりは思う。

手作りが絶対だ!なんて言うつもりはないが、作れることは大切だと改めて思った。

お金を出せばいくらでも美味しいものは食べれる。

でもね、想いはお金では買えない!

そう思わない⁉️

 
 
 

🍳レシピ『スンシーイリチー』


 

材料/4人前


・干し椎茸 - 大 4枚
・かつお節 - 13g
・スンシ - 150g
(たけのこの塩漬けの戻したもの)
・切り昆布 - 150g
・切りこんにゃく - 100g
・三枚肉 - 240g
(バラ肉の塊を茹でた状態のもの)
 ※基本三枚肉は、しっかり茹でた物を使用する
・白だし ー 大さじ6
・和風だしパックー 1袋
・水 ー 1000CC
・干し椎茸の戻し汁 ー 350CC
・水 ー 250CC
・砂糖 ー(お好みの量)
・和風粉だし ー(お好みの量)
 
★容量は、あくまでも目安! 自分好みに足したり引いたりして「美味しく」食べてね!
by:まーさん食堂スタッフ一同
 

下準備

①「切りこんにゃく」を下茹でする
②「和風だしパック」1つと水1000ccで出汁をとる。
③「干し椎茸」は、水洗いしてから水で戻す。
④「三枚肉」は、水から茹でる。
⑤「スンシー」と「切り昆布」は、湯通しして水洗いする。
⑥「干し椎茸の戻し汁」350cc、水250ccを入れ火にかけ、「かつお節」13gを入れ、沸騰したらかつお節を取り出す。


 
 

(1)「干し椎茸」は斜めに細切りに、「三枚肉」は1cm弱の短冊切り





 
 

(2)
鍋に【下準備】②で取った「出汁」を入れ、「スンシー」、「切り昆布」、「切りこんにゃく」、「干し椎茸」、「三枚肉」、【下準備】⑥で取った「椎茸出汁」、「白だし」大さじ2/大さじ6を入れ、蓋をして煮る。

※具材のひたひたより少なめの出汁で煮はじめる。
※昆布が柔らかくなるまで5分おきに見て、煮汁が少なくなってきたら様子を見て出汁をする。





 
 

(3)
味をみながら、何度かに分けて残りの「白だし」を足していく。

※一度に入れてしまうと煮汁が蒸発して味が濃くなるので、様子を見ながら足すといいよ!

 
 

(4)
「切り昆布」が柔らかくなったら、「白だし」、「和風粉だし」、「砂糖」で好みの味に整えたら、 完成❣️

※隠し味で醤油をひとまわしすると美味しくなるよ!


 

作ってみてね~♪
コメントも待ってるよ~♪

 
 
 
 
 

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真志喜 恵里子

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