👵🏼 うりずん豆の思い出

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沖縄では２月から４月下旬にかけて の時期のことを うりずん と呼んでいる。

この時期の沖縄はとても過ごしやすく、蒸し暑い日もあれば、寒気を感じる日もあり、夏が間近に迫ってくるのが感じる。それが うりずん日和

その うりずん日和から遠く９月から１０月に収穫最盛期となるのが うりずん豆 で、本土ではしかく豆と呼ばれている。

　

えーりが初めて うりずん豆 を食べたのは社会人になってからだった。

先輩と先輩の祖父母宅に用事で訪ねた時、その家の塀に蔓を這わせて実っていた うりずん豆 を見たのが最初だった。

初めて見る うりずん豆 に何だろうと思いながらしばらく眺めていると、一人で裏庭の手入れをしていた先輩のオジーが

オジー：そんなに うりずん が珍しいか？

と聞いてきた。

えーり：それは うりずん っていうのですか？ 初めて見ました

オジー：初めて？ あなたはこんな美味しい うりずん をこれまで知らないで生きてきたのか？

と言いながら高々と笑った。

えーり：どのようにして食べるんですか？

オジー：本当にわからないんだな〜

と言うと爺さんはえーりの返事を聞かずにそそくさと家の中に入って行った。

しばらくすると、鍋を片手に持って戻って来た。 鍋を覗くとそれには油が入っていた。 その後ろを婆さんが天ぷらの衣が入った器を持ってやって来て、二人して近くにあったセメントブロックを組み立てた。

それは直ぐに火を焚べるのだとわかった。

庭の手入れから出た枯葉や枝や古い角材を四角に積んだブロックの中に入ると、マッチで新聞紙に火をつけた。しばらくすると火があがって角材を燃やすと火がしっかりと安定し、そこの鍋が置かれ天ぷらを揚げる準備が整った。

えーりは油の温度が良いあんばいになるまで目を離さずそこにいた。婆さんは塀に張った うりずん豆 をザルいっぱいに摘むと、洗うように指示し、えーりはそれを受け取りサッと洗い再び婆さんに渡した。

婆さん：揚げたての美味しい うりずん天ぷら 食べさせようね

と言うと、手慣れた手つきで次々に うりずん豆 に衣をからめて油鍋に入れた。

衣をからめた うりずん豆 は見るみる色鮮やかな黄緑色に揚がった。

揚げたての うりずん豆 は衣の塩味とサクッとした食感の良さと初めて食べた感動で立て続けに何本も食べた。

えーりが手を止めず食べるので爺さんと婆さんは「ユーカムンヤー」と言って笑った。

※ユーカムンヤー＝よく食べるね〜

　

想像してみて、天ぷらを庭で手作り窯で揚げて食べるのを。

どれだけ感動したか⁉️

キャンプでもないのに即席の窯であっという間に揚げたて天ぷらが食べられる。

こんな経験は後にも先にも無い。

今でも うりずん豆 を見るたび思い出すぐらいの感動だ。

この老人2人のフットワークの軽さに最高のアウトドア派だと笑って讃えた

これこそ 楽しんで生きる”生きる力”

沖縄ではそんな二人のことを“チビ（尻）が軽い”と言う。

直訳すると尻軽ということだが、フットワークが軽い人のことを沖縄ではそう表現する。

そんなことがすんなり出来るのは、ただ食べさせてあげたいという想いだけ

食べたことがないと聞いて咄嗟に行動に起こすことができるなんて、本当に人を思う気持ちに溢れている。これぞまさしくウチナーンチュならではだな〜と思った。

これこそが”イチャリバチョーデー”

※イチャリバチョーデー＝会う人は皆兄弟

　

だからえーりには うりずん豆 に思い入れがある。

うりずん豆 を見るたびにあの爺さん婆さんを思い出し、あの時の感動も蘇る

あの爺さんも婆さんも今はもういない。何も返せずじまいで終わった。

えーりに返せることがあるとしたなら、あの時食べた うりずんの天ぷら の美味しさを後世に伝えることなのかな〜と思って今回レシピで取り上げた。

誰にでも一つや二つ 心に残る食材やご飯があると思う。

誰かを想いながら作るご飯が食べる人の心に留まるのかな〜と思う。

あの爺さん婆さんの気持ちへの感謝を忘れずにいようと思う

やっぱり想いに戻される

やっぱり想いありきだね
　
　
　

　

・うりずん　－ 12本
・玉子　－ 2個
・薄力粉　－ 160g
・ベーキングパウダー　－ 小さじ1
・塩　－ 小さじ1
・冷水　－ 100～120cc
・和風粉だし　－ 少々

【つけダレ】
・ウスターソース
・塩
※沖縄では、天ぷらにウスターソースをつけて食べるのが主流。是非ご賞味あれ❣️
　
★容量は、あくまでも目安！自分好みに足したり引いたりして「美味しく」食べてね！
by：まーさん食堂スタッフ一同
　

①「薄力粉」と「ベーキングパウダー」を合わせてふるいにかける。
②「うりずん」は、水洗いして水気を拭き取り、ヘタをとる。

　
　

　
　

※衣はもったりするくらいの硬さにする。